現代版奥の細道 (5)

夏の東北ツーリング記録その5。

……

東京に向けて更に南進する前に、寄り道で男鹿半島方面へ。

途中、秋田港のふ頭に24系客車が留置されているのが見えました。
「どこか海外に行くのだろうな、グッドラック」などと思いながらその場を過ぎ去りましたが、後で調べたところでは早2年近く、この場から動いていないそうです。
JRから都内の貿易代理店に売却され、コンゴに輸出される予定だったものの、そこから先の商談が頓挫している模様です。
もとは2014年3月に廃止された最後のブルートレイン「あけぼの」に使用されていた車両です。
一度は役目を終え、走り慣れた秋田から新天地に旅立つはずが、再び目的地を無くしたまま風雪に耐え、佇んでいるのでした。

男鹿半島は、鵜住居に泊まったのと同じ旅行で訪れましたが、如何せん前の話であまり良く覚えておらず、フィルムカメラで手あたり次第に目に留まったものを撮るわけにもいかず、記憶も記録もおぼろげでした。
そういう意味では初めて足を運ぶようなものです。
まずは手近なところで、寒風山に登りました。
半島の輪郭、日本海に八郎潟も見渡せ、最後の最後で天気も良くなり、旅の締めくくりとして言うことのない景色でした。

続いて半島の先端入道崎に八望台と、景観スポットを巡りながら半島を一周しました。

次に八郎潟周辺を走りました。
どこまでも真っ直ぐに続く道に驚きました。まるで北海道のようです。

日本一低い山、大潟富士の登頂に成功しました。
頂上からは広大な田園地帯が一望できません。
目線と大して変わらない高さから、「あぁ、これが社会科で勉強した、八郎潟の干拓地か」と。

もう一つ、ここには東経140度北緯40度の地点があります。
日本で唯一、経度と緯度が10度単位で交わるポイントです。

そろそろ帰ろうと思い、改めて、国道7号線を南へ走り始めました。
秋田・山形県境は鳥海ブルーラインへ迂回しました。
あいにく山の上は霧が濃く、名峰鳥海山の姿は拝めませんでしたが。

同じく県境付近に、JR羽越線の女鹿(めが)駅があります。
周囲に人家などは少なく、普通列車すら一部は通過する、いわゆる秘境駅です。
午前中に酒田方面の上り列車が2本、午後に秋田方面の下り列車が4本しか止まらず、つまりこの駅から下り列車に乗ると、同日中に戻ってこれません。
もちろん利用の実態に即した設定なのでしょうが。

徐々に日が暮れ、1日の終わりとともに旅も終わりを迎えます。
最終的には聖篭新発田インターから高速に乗り、脇目も振らずに東京を目指しました。
深夜の高速もそれなりに交通量が多く、盆の終わりも同時に感じました。

カテゴリー: シビック, パーマリンク

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