渡星 (5)

シンガポール滞在も最終日。
再び一人になって向かった先は、ハーバーフロントの国際旅客ターミナルです。


イミグレを通り(今回の旅行中4回目)、高速船に乗り込みました。


シンガポール海峡を隔てて約1時間の距離にあるバタム島は、インドネシアに属する島です。
かつて必要だったアライバルビザは不要になった…と各方面で見かけたのですが、入国するまでは果たして本当だろうかと少し心配していました。
結果、取得は求められませんでしたが、この手の規制は場所や役人によってまちまちなこともあるので油断なりません。


港の近くを歩き回ってみました。
隣にあるショッピングモールは人気が少なく、また車通りも少なくて、大都会のシンガポールからわずか20kmの距離にあるとは思えないような長閑さがあります。


タクシーで島の中心、ナゴヤにやって来ました。
なぜナゴヤなのか?日本の名古屋と何か関係があるのか?
その辺は不詳のようですが、少なくとも本名のルブッ・バジャとは誰も呼んでいないようです。


ここを歩いていて感じたのは人々、そして街が発する熱気です。
それは行き交う人々の会話だったり、見えない秩序があるらしい露店の並びだったり、あるいはゴミや溝水が発する臭いが元であったり。
生活感、とでも言いましょうか。
それもまた、対岸のシンガポールとは全く異なる風景です。
(良し悪し、優劣では決してなく)


ガイドマップの大雑把な地図と、モールのWi-Fiで更新したGoogleマップを頼りにハーバーベイのターミナルへ歩いて辿り着きました。
想像していたより遠く、なかなか姿が見えないときは「道を間違えたか?」と焦りましたが。


わずか数時間でしたが、インドネシア滞在終了です。
再び高速船に乗り、シンガポールへ戻りました。


帰りはチャンギ空港に近い東部のタナ・メラ・フェリーターミナルに戻ってきました。
ナゴヤから来てトーキョーに帰る…ウソではないです。
滞在日数「1日」が気になったらしいイミグレ係官に「フライトは何時?」と聞かれ意表を突かれました。
良く見ていらっしゃる。

そしてみるみる埋まる査証欄。
国の空気の違いを簡単に感じられ、そしてこうして証拠が残るのですから越境は楽しいです。


少し時間が早かったですが、混む前に…ということで夕食を文東記(Boon Tong Kee)で取りました。
王道ですが、チキンライスはシンガポールのベストフードだと思います。
旅の締めくくりに相応しい、シンガポール最後の晩餐でした。


往路と同じシンガポール航空のプレミアムエコノミーで帰国の途に就きました。

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