一足遅く、夏を感じに - 台湾旅行記 -

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青い海と濃い緑のコントラストが印象的 白濁しているのは何だろう?

6時に起きて、まだ人気もまばらな街を駅に向かって歩く。
台北方面行きの?(くさかんむりに「呂」)光号(急行)は少し古い客車列車で、花蓮より北は電化され電気機関車が牽引する。
次の新城(太魯閣)で降りる。名前の通り太魯閣渓谷の入り口にある駅だが、列車で太魯閣を訪れる客は少ないに違いない。
客待ちのタクシーに「清水断崖に寄って和平駅まで行きたい」と告げる。少し値切って1200元(約3600円)になった。
清水断崖は標高2407mの清水山がわずか4kmで海に切れ落ちているところで、青く澄み渡る海とも相まってまさに絶景だった。
ふと駐車場でもないところで車が停まり、言われるままに覗き込むと、青い海の中でそこだけ白く濁っているのが見えた。珊瑚礁か何かかと思ったが良く分からない。
地元民でなければ通り過ぎるに違いないスポットを教えてくれたことに感謝した。

蘇墺の冷泉で汗を流す 冷泉と冷泉サイダー

和平という駅は?光号の停車駅であるものの、周りに何もないところで、しかもタイミングが悪く2時間ほど列車を待つ羽目になった。
ようやくやって来た列車は先ほどと同じ車両の?光号で、この先の車窓も良く、右手にあの青い海をしばらく眺めながら走る。
蘇墺新駅で降り、蘇墺行きの区間車(普通列車)に乗り換える。蘇墺は炭酸の冷泉が有名で、屋外に設けられた冷泉はプールのような雰囲気だった。冷たいくらいの水が暑い盛りには心地良い。
近所ではこの水で作ったサイダーを売っている。どんなものかと思いきや、お馴染みのビー玉ラムネだった。

太魯閣号の入線 台湾一周、台北に戻ってきた

再び区間車に乗って宜蘭で降りた。この街にはかつて円形の城壁があって、環状に敷かれた道路はその名残だという。そんな街並みを観察しながら少し歩く。
駅に戻って、台北行きの自強号に乗った。台北〜花蓮の東部幹線には通称「太魯閣号」という列車が走っている。JR九州の885系車両をベースに日本で製造された車両が使用されていて、カーブが多く、また高速道路よりも遠回りな東部幹線でスピードアップにつながり好評を博している、という。
この太魯閣号を選んで乗った。車内はほぼ満席だった。
宜蘭の次は台北の隣の松山駅までノンストップという俊足で、振り子機構もちゃんと機能しているのが分かる。
やがて台北の都市圏に入ると高い建物が増え、地下に潜り込んで松山、そして台北駅に舞い戻ってきた。

人、人、人 台湾最後の晩餐

1日目とは違う宿にしようと思って、ほたるホステルという宿を探す。
そこは狭い雑居ビルの4階。ガイドには「オーナーが個性的」とある。確かに個性的で面白いなお婆ちゃん。行けば分かる。
荷物を置いてお土産を買い揃えたあと、市街北部にある仕林の夜市に出かけた。
地下鉄の仕林駅で列車を降りた。しかし市らしきものは見当たらず、不思議に思ってガイドブックを見直すと、最寄駅は1個手前の剣潭駅だった。仕林夜市というくらいだから仕林駅が最寄り駅かと思い込んでいた。
ようやく市に辿り着く。最初に訪れた饒河街の夜市と並んで台北の二大夜市と言われているらしいが、規模も人出もこちらの方が遥かに上。土曜の夜だったからかもしれないが。
食事を済ませたあとは再び新北投温泉へ。

中正紀念堂 バスで空港、そして日本へ

翌朝。飛行機は13時過ぎの便だったので、10時頃には台北を発つ。
お婆ちゃんの勧めで、蒋介石を記念して建てられた中正紀念堂を訪れた。
ゆかりの品物の展示などもあって、この国にとっていかに偉大な人物であるかが窺い知れる。
しかし雨が降っていたのと、思いのほか時間がなかったので、見学はそこそこに早々とここを後にした。
空港へはリムジンバスではなく高鐵で桃園駅まで行き、そこから連絡バスに乗った。
台湾元は空港のフードコートで残さず使い切り、出国審査を難なくパスして機上の人となる。
3時間半の空路は旅の終わりの余韻に浸るには程よい時間だった。

【おわり】

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